こんにちは。穴吹興産 区分投資事業部です。
今回は、10月29日~11月1日に行われたベトナム不動産マーケットの視察について
ご報告させて頂きます。
今回は、あなぶき未来総研の西谷室長・濱野さんのマーケティング視察と合同で行いました。
現地での対応は、ベトナム駐在歴6年の穴吹興産 海外事業部の倉橋さんにアテンドを
行って頂きました。お忙しい中、ありがとうございました。
※区分投資事業部では2025年1月23日・2月26日で、「あなターン」を実施致します。
興味のある方はこの投稿の最後をご覧ください。
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ベトナムは日本(羽田)から飛行機で約5時間半、日本との時差は2時間です。
10月の最低気温は24度、最高気温は30度程度になります。日本に比べるとかなり
暖かい気候です。
9月~11月はちょうど雨季の時期で、滞在中も何度か前が見えなくなるような
スコールに見舞われました。
滞在先のホーチミンは、中心部の開発は進んでいますが、少し郊外に足を延ばすと
下水処理等のインフラが整っていないため、大雨が降ると下の写真のように道路が
あっという間に冠水してしまいます。
まずは、ホーチミン全体の街並みや開発状況を知るために、東南アジアで2番目に高い
ランドマーク81(461m)に上りました。
ランドマーク81はビンホームズセントラルパーク内にあります。
ビンホームズ セントラルパーク(VINHOMES CENTRAL PARK)は、ベトナムで最も
大きな財閥会社であるビンホームズが開発したホーチミン市ビンタン区に2016年にできた全17棟、
10,000戸の街づくりプロジェクトです。
ランドマーク81に登れば、後ほど出てくるグランドパーク等の郊外大規模開発案件
まで見ることができます。
その後、ホーチミン市内の中古コンドミニアムを2物件視察させて頂きました。
まずは、ホーチミン中心部の築年数約20年のコンドミニアムです。
現在日系企業が保有している物件で、ベトナムから事業撤退とのことで売出しが決まった
そうです。
約160㎡程度の広さで、リビングルームの真ん中に麻雀のセットだけが置かれており、
社員や取引先との集まりの場として使われていたような雰囲気でした。
眼下には戸建てなどの低層物件が広がっているため、眺望や日当たりも良くなっています。
全体的には築年数が経過しているため、内装はそれなりにリフォームが必要な印象でした。
物件を案内して頂いたホーチミンの日系賃貸管理会社でのAアセットのご担当者は、
「場所が良いのでリノベーションを行って、見栄えを良く仕上げれば高値で売れると
思います」と言われていました。
続いて中古コンドミニアム2物件目です。
こちらはタオ・ディエンというエリアで各国のインタナショナル・スクールが
点在しているエリアで欧米人にも人気のあるエリアとなっています。
物件の築年数が比較的浅いため、1階の共用部分はホテルのロビーのような最近のトレンド
を取り込んでおり、住戸内も非常に綺麗で手を入れずとも住めそうな内装でした。
住戸内写真。
リビングや居室から広がる眺望はリバービューで、周辺には欧米人が住んでいる西洋風の
一戸建てが数多く並んでおり、異国情緒漂う雰囲気が感じられます。
マンション内には、東南アジアの築浅マンションでは当たり前のプールです。
見学時は実際に西洋人の子どもがプールで遊んでいました。
写真には写っておりませんが、すぐ横には2024年中に完成予定のホーチミン市では初と
なる地下鉄があり、この日も日本製(HITACHI)の車両が試運転で走っていました。
続いては、自社物件の視察になります。
ホーチミン8区で販売中の戸建てプロジェクトです。8区とは区の名前で日本でいう中央区等
の名称です。
こちらがエントランスになります。入り口には顔認証システムが導入されており、認証後に
奥のゲートが開く仕組みになっています。
こちらが販売中の物件で、縦長い5階階建ての物件になります。
奥に見えているのも建設中ですが、ご覧の通り躯体部分(柱)は鉄筋コンクリート造ですが壁はレンガ
になっており、1つ1つ重ねて組み立てています。
自身がほとんど発生しhないベトナムだからこそできる建設手法です。
手前が車庫と奥がリビングです。
リビングで現地販売会社の社長の説明を通訳を交えて受けています。
こちらの住戸は既に販売済とのことで、購入者によるこだわりの設計となっています。
上層階を見上げ写真。1階から5階まで吹き抜けになっています。
2階のエレベーターから橋を渡って部屋に続いています。
なかなか日本では見ることのできない独自な設計です。
続いては、大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアが、ベトナムの現地不動産デベロッパーである
TT Capital Investment Joint Stock Companyおよびグローバル不動産会社Koterasu Partners Pte. Ltd.との
戦略的パートナーシップのもとで推進中の、ホーチミン市近郊ビンズオン省ディーアン市における
分譲住宅開発事業第1号物件「TT AVIO(ティーティーアビオ)」の新築コンドミニアムモデルルーム見学です。
総戸数は1831戸となり、間取りは1Bed、2Bedです(1LDK・2LDK)。
モデルルームに入るラウンジのような雰囲気の受付となっており、すぐに黒いカーテンで隠された別室
に案内されます。
USJやディズニーランドのアトラクションにありそうな、見学前のわくわく感を感じさせる雰囲気が
演出されています。
別室に入ると、天井が水族館のような映像が流されている空間になっています。
ここでは来場者に対して販売員が物件の概要説明を行います。
モデルルームは週末には多い時で500組の来場があるそうで、時間に分けて来場者を案内していく
仕組みができています。
コスモスイニシア社員の紹介。日系企業が出資しているプロジェクトという点も販売の特徴として
紹介されています。
物件の概要説明を受けた薄暗い空間を抜けると、模型や接客コーナーが設置された広い空間に通されました。
かなり広い規模の空間で、週末は横に設置されたステージ上でプロジェクト説明会も行われているそうです。
実際に使っているかどうかはわかりませんが、右の方にバーも設置しています。
このモデルルームは開発地に建設されているため将来的には解体されますが、モデルルームだけの建設費で
なんと4.5億円だそうです。
「いや、何部屋買えんねん!」っていう感覚は一旦忘れときましょう。
この日は平日でしたが、エージェント(販売員)がSNSで動画を上げるため動画を色々な場所で撮影
していました。
こちらが、空間の中央に設置されているコンドミニアム開発用地の模型です。完成度も高くなっています。
大規模物件だけに、敷地内の共用部分にも力が入っています。
敷地内プールはもちろんですが、ホテルのようなアプローチ等、検討者の購入意欲を掻き立てる
アメニティが充実しています。
モデルルーム内はバルコニー側から入る仕組みになっており、内容は日本の高級物件のような仕様に
なっています。ちなみに、部屋のクロス貼りはオプションになっています。
モデルルームは横に4部屋分再現されています。
奥の玄関扉を開けると、共用廊下も作りこまれています。
まだまだ続きます。
続いては、阪急阪神不動産株式会社が、ベトナムの大手住宅デベロッパーであるナムロン インベストメント
コーポレーションと共同で、ドンナイ省ビエンホア市において、タウンハウス・戸建住宅を中心に開発が
行われている大規模都市開発『Izumi City(イズミシティ) プロジェクト』です。
本プロジェクトでは、約3,000戸のタウンハウスや戸建住宅を中心に約170ha(道路を含む)の
大規模都市開発が行われています。
以下の写真は、居住者や検討者が利用できるクラブハウスで、プロジェクトの概要を説明する時などに
利用されています。
中には事務やプール食堂等が備わっています。
クラブハウス受付。こちらも将来取り壊されるとは思えないクオリティです。
阪急阪神不動産の現地駐在員の方に説明を受ける一行。
『Izumi City(イズミシティ) プロジェクト』の計画地模型。模型の規模が1つの街になっており、
かなり大きな模型です。
こうした街区ごと開発していくことを、タウンシップ開発と呼びます。日本においては駅前再開発
などが違いですが、計画地が170ヘクタールということでサッカー場170個分の広大な広さになります。
開発街区はさらに一戸建て数百個程度の街区に分かれており、それぞれの街区ごとにクラブハウスが
あります。下記の写真は、すでに完成されている街区のクラブハウスにあるプールです。
バーベキューを楽しめる設備も整っています。
実はこちらのIZUMIシティプロジェクトの戸建て街区の管理ですが、とある日系企業が行っています。
ヒントは以下の写真です(時計に注目)。
「あなぶきにして良かった~」でおなじみのあなぶきグループです。
穴吹ハウジングサービスとベトナムのナムロン社・オカムラホームの共同出資による現地法人の
ANABUKI NL VIETNAMが管理を行っています。
戸建て街区の引き渡しはすでに始まっていますが、引っ越しっはこれからで人は住んでいない様子。
敷地内は広くて、移動するには暑すぎるため、案内時にはゴルフカートで移動します。
ベトナムの一戸建ては基本的に内装工事が未実施のスケルトンで引き渡しとなります。
以下の写真のように、カーポートも舗装が未実施のため、自分でアスファルトを強いたり芝生を
植えたり施工する必要があります。
内容もレンガを積み上げた状態の壁となっており、この状態から自分で仕上げ工事を発注すること
なります。
価格は内装は別で6,000万円程で、内装は別途で1,000万円以上かかります。
さて、ベトナムではタウンシップ開発などの大規模開発がローカルの大手デベロッパーを中心に行わて
いますが、コロナや国内問題によって計画・工事がストップしているプロジェクトも少なくありません。
以下の写真は『Izumi City(イズミシティ) プロジェクト』の横で開発されている、アクアシティ内
に新たに建設されたショッピングモールです。
しかし、ショッピングモールと周辺の道路などのインフラが設置された状態で、周辺には人気がなく
一度もオープンしていません。
理由は、アクアシティは1000ヘクタールの大規模タウンシップ開発ですが、現在開発許可等の問題
によって開発がストップしているからです。
開発元はベトナムで2番目に大きなデベロッパーですが、様々な問題で計画がストップしています。
街中を車で走っていても、大規模な高層マンションが建設途中で頓挫している物件が至る所で
見られます。
ベトナムではコンドミニアムを購入(契約)する際に最初に10%~20%を支払い、その後2か月
ごとに5%づつ支払っていく手法が一般的ですが、途中で建設がストップして、お金が戻ってこず
住むことができない状況になっているプロジェクトもあります。
そのため、日本の個人投資家が安易にベトナムで投資に手を出すとかなり危険なプロジェクトも
あるので注意が必要です。
このように発展途上国であるベトナムでは経済成長に伴う投資の機会がありながらも
日本では考えられない負の側面(リスク)があることも事実です。
海外で開発事業を行うということは、このようなリスクと常に向き合い続け
なければなりません。
最後の紹介するのは、ベトナム ホーチミンで最大規模のタウンシップ開発であるビンホームズ
グランドパークです。
全体開発面接は、271ヘクタールでベトナム最大手財閥のビンホームズが中心に開発を行っおり、
三菱商事と野村不動産も、ビンホームズ グランドパークへ1000億円プロジェクト開発を進めています。
敷地内のコンドミニアム区画は、ORIGAMI(オリガミ)街区と呼ばれています。
敷地内には大規模プールや遊園地までもが併設されています。
実際のグランドパーク内の写真。全271ヘクタールのベトナム最大規模の開発。
グランドパーク内のショッピングモール内にある、コンドミニアムの案内所と販売スタッフから
説明を受けて、笑顔の日本の投資家。
案内所に設置されていたグランドパークの模型。こちらが敷地内の遊園地。
細かなLEDライトが、全体を明るく照らしてきらきらしています。
敷地内には打ちっぱなしのゴルフ練習場もあります。100球1200円で高めの設定です。
住戸内から見た実際のプール施設の写真。水の色が模型と少し違うような。。
奥には戸建て街区が見えます。
ちなみに、現在販売中のグランドパーク内のコンドミニアムは80㎡で6,000万円程度(坪180万)。
最近は供給過多により、値下がり傾向のようですが、販売当初の2020年と比較すると3倍近くの
値段に跳ね上がっています。
ビンホームズの開発案件は、他のディベロッパーと異なり、開発が頓挫することがほとんどなく
海外投資家も含めて安心して購入できるプロジェクトという認識されています。
最後に帰りの飛行機から撮影した写真です。
ベトナム視察で印象的だったのは、日本の40年~50年前の高度経済成長期も恐らくこのような状況だったの
だろうなと肌で感じたことです。
現在の発展途上国での大規模タウンシップ開発は、日本で住宅不足の時に郊外で数万個単位の団地が分譲されて
、何十倍の倍率で購入者が殺到していた状況に似ているのではないでしょうか。
日本では人口減少も相まって、郊外で開発された団地の多くが空き家になっていますが、スマートシティとして
これから発展していくベトナム等の発展途上国はどのような発展を遂げていくのでしょうか。
そんなことを考えながら、ベトナムからの帰路につきました。
中古マンションの買取再販を行う区分投資事業部では、海外での事業展開に向けてASEANを中心に
各国のマーケット調査及び事業の可能性について活動を行って参ります。
なお、区分投資事業部では2025年1月23日・2月26日で、「あなターン」を実施致します。
区分投資事業部での仕事に興味がある、営業で一旗揚げたい、海外で仕事をしたい、とくかくチャレンジしたい
という方は、是非この機会にご応募下さい!