近くに住もうよ

最近、親世帯と子世帯がほどよい距離感に住む『近居』が注目されてきました。自治体によっては「近居」に補助金を出している地域もあります。なぜ、同居ではなく近居が選ばれるようになってきているのでしょうか。

今回は、近居とは何か定義に触れ、近居が支持される理由などを紹介していきます。

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・近居の定義 

近居とは国土交通省の調査による定義によると、「住居は異なるものの、日常的な往来ができる範囲に居住することを指すもの」とされています。いわゆる「スープの冷めない距離」、概ね徒歩や自転車、自動車、電車などで、1時間以内で行き来できる距離に住むことをいます。

・近居の形態

近居の居住形態はさまざまなパターンがあります。よくあるケースは、結婚してアパートに住んでいた子世帯が孫の誕生を機に、妻の実家の近くのマンションを購入、反対に高齢になった親世帯が自宅を売却し、子世帯の住むマンションの近くの別のマンションを購入といったものです。また、親世帯と子世帯が同マンションの別の部屋をそれぞれ購入する事も、近居の一つの形です。

私個人としては、自宅近くの高齢者施設へ両親を呼び寄せる事も近居の一つと考えます。

 

■国や自治体も「近居」を支援

少子高齢化が進む中、近居を支援するために独自の補助金制度等を設ける自治体もあります。

政府が2015年に一億総活躍国民会議で取りまとめた「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策―成長と分配の好循環の形成に向けて―」では、子育てしやすい環境を整備するため、三世代同居・近居しやすい環境の整備が掲げられました。具体的な近居への支援策の一例としては、

【UR賃貸住宅の場合】

子育て世帯や高齢者世帯との同じ団地、あるいは2km以内の別の団地での近居には「近居割」、決められたエリア内で団地とそれ以外の住居に住む場合は「近居割WIDE」の適用が受けられる。

【東京都墨田区の場合】

義務教育を修了する前の子どもがいる世帯が、親世帯と近居(直線距離で1㎞以内)や同居をするケースが対象。そのほか、最低居住面積水準を満たしているなどの条件がありますが、新築住宅の購入は50万円、中古住宅の購入は30万円の助成が受けられます。

※そのほかにもイロイロな自治体で同様の取り組みが行われているので、確認してみては如何でしょうか?

■同居ではなく、近居が支持される理由

お互いのプライバシーを確保しつつ、子世帯は親から「育児のサポート」を受けやすく、親世帯も「介護や見守り」が受けやすいといったメリットがあります。近くにいるだけでも安心感が得られるケースが多いです。

他にも、

・就寝・起床など生活リズムの違いによるストレスがない

お互いに都合のよい時間帯合わせて顔を見せたり、用事があるときに訪れたり、生活リズムを守りながら気軽に会うことができます。

・ペットを飼うかどうかは世帯ごとに決めることができます。

ペットが苦手な家族にも安心です。

・インテリア・食事などの嗜好を合わせずに済む

各世帯ごとに自分好みのライフスタイルが展開できます。

・住み替えがしやすい

二世帯住宅は子世帯が転勤・転職をしたり、親世帯が施設に入居したり、亡くなったりしたときに、住まいをどうするのか問題になりがちです。一方、近居はそれぞれの生活に合わせて住み替えをしやすく、世帯ごとに判断することができます。

■まとめ

親世帯にも子世帯にとっても、近くに住むことは育児や介護の面でメリットがあります。近居は同居よりも、生活リズムやライフスタイルを守って暮らしやすいことから支持されていますが、距離感を適度に保つことが大切です。共働き夫婦が増加傾向にあることからも、近居という暮らし方は今後も増えていくでしょう。

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